
最近動画編集を始めましたが、ラフカットってなんですか?
初心者にわかるように説明してください。
以上のような、ラフカットに関する質問に答えいきます。
この記事の信頼性


私は独学から始めて5年でフリーランスになりました。
現在は継続案件で稼ぎつつ、田舎でくらしています。
当ブログでは、動画編集スキルの習得や案件獲得に関する情報を中心に発信しています。
この記事を読めば、プロが実践している「ラフカット」の重要性と手順が分かります。
ラフカットをすることで、動画編集のスピードとクオリティが向上し、効率がこうじょうします。
なんのことかわからない人が「理解して実践できる」ように解説していきます。
そもそも動画編集の「ラフカット」とは?


一言でいうと「大まかな仮編集」のことです。
料理でいうと、皮をむいたり、傷んだ部分を切り落としたりする「下ごしらえ」の工程。
この下ごしらえが、後の「本編集(味付けや盛り付け)」の質とスピードを大きく左右します。
本編集との違い
ラフカットと本編集の役割は明確に違います。
- ラフカット
撮影素材を並べ、不要な部分(言い間違い、長すぎる間など)を大まかにカットして、動画の骨格を作る作業。 - 本編集
テロップ、BGM、効果音、カラーグレーディングなど、動画を魅力的に仕上げるための装飾的な作業。
本編集からやると、
「あ、この部分やっぱり要らなかった…」
「話の順番を変えたい…」
といった手戻りが発生します。
結果的に、余計な時間がかかってしまうのです。
なぜラフカットは重要?プロが必ず行う3つの目的


地味に見えるラフカットですが、プロの現場では絶対に欠かせない工程です。
その役割は大きく3つ
- 編集の全体像を把握する「設計図」
- 作業効率を向上させる「時短」
- クライアントとの「コミュニケーション」
簡単にまとめます。
役割1:編集の全体像を把握する「設計図」
素材を先にカットすることで、動画全体の流れや動画の長さを掴むことができます。
これにより、行き当たりばったりの編集を防ぎ、手戻りや迷いをなくす効果があります。
最初に「動画の全体像」という基準を設けることで、テロップ入れやBGM選びといった判断がブレにくくなるのです。
役割2:作業効率を向上させる「時短」
「あー」「えーっと」などの間やNGシーンを取り除いておくことで、後の工程に集中できます。
特にテロップ入れは、不要な部分が多いと作業量が増えます。
また、大変な作業を先に終わらせることで、モチベーションを維持しやすくなる「ザイガニック効果」も期待できます。
役割3:クライアントとの「コミュニケーション」
これは、将来的に動画編集で稼ぎたいと考えているあなたにとって、重要な目的です。
ラフカットの段階で一度動画を提出し、「全体の流れや構成はこの方向性で合っていますか?」と確認を取ることがよくあります。
最初の段階で認識のズレをなくすことで、納品直前での「やっぱり構成を全部変えてほしい」といったことを防げます。
大幅な修正は、それまでの作業時間が無駄になるだけでなく、クライアントの信頼を失うリスクも伴います。
ラフカットでの確認は、こうした損失を未然に防ぐための「保険」でもあるのです。
初心者でも簡単!ラフカットの基本的な3ステップ


では、具体的にどうやって進めるのか、3つのステップで解説します。
STEP1:素材の整理と読み込み
まずは撮影した素材をタイムラインに全て並べます。
インタビュー動画など、話す順番が決まっているものは、その順番通りに並べましょう。
この時点で素材をざっと見返し、カメラのオンオフ時や、明らかに撮影ミスのクリップ(映像)は削除してしまいましょう。
STEP2:不要な部分を大まかにカット
動画を最初から再生しながら、「間」が空きすぎている部分、言い間違え、「えーっと」などの不要な部分をどんどんカットしていきます。
ここで完璧を目指さないこと
「とりあえず不要な部分を削る」くらいの気持ちで、サクサク進めましょう。
1秒未満の細かい間の調整は、後の本編集で行えばOKです。
STEP3:話の流れに沿ってクリップを並べ替える
カットしたクリップを、話がスムーズに繋がるように正しい順序に並べ替えます。
特にインタビューや解説動画では、この工程が重要です。
不要な部分をカットしたことで、話の繋がりがおかしくなっていないかを確認しましょう。
間を詰め終われば、動画の骨格が完成です。
編集時間が半分になる!ラフカットを効率化するコツ


「ラフカットの重要性は分かったけど、それでも時間がかかる…」
という方のために、スピードを劇的に上げるコツと裏技を紹介します。
コツ1:ショートカットキーを徹底的に使う
マウスで操作するのは今日で卒業しましょう。
最低でも「カット(分割)」と「リップル削除(間を詰めて削除)」の2つを覚えるだけで、作業スピードが倍以上になります。
- Premiere Pro:
Ctrl(Cmd) + K
(カット),Q
/W
(リップル削除) - Final Cut Pro:
Cmd + B
(カット),Option + Delete
(リップル削除) - DaVinci Resolve:
Ctrl(Cmd) + \
(カット),Backspace
(リップル削除)
お使いのソフトのショートカットキーを調べて、指に覚えさせてしまいましょう。
コツ2:音声波形を見てカットする
無言の部分は、タイムラインに表示される音声波形がフラット(平ら)になります。
いちいち再生しなくても、この波形だけを見て無言部分を判断し、高速でカットできます。
視覚的に判断できるので、慣れると再生するよりも圧倒的に速く作業を進められます。
裏技:自動化ツールを活用する
多くのプロ編集者は、カットのような単純作業をツールに任せます。
その時間で、クライアントの意図を汲んだ構成の考案や、動画の魅力を高める演出など、よりクリエイティブな作業に時間と脳のリソースを集中させています。
そのための強力な武器が、AIによる自動化ツールです。
- Vrew
動画を読み込ませるだけで、AIが自動で文字起こしをしてくれます。
あとは不要な部分のテキストを削除すれば、連動して動画もカットされる優れものです。 - Premiere Pro「テキストベースの編集」
最新のPremiere Proに搭載されている神機能。
ソフト内で動画の文字起こしからテキストベースでのカットまで完結します。
面倒な作業はツールに任せて、あなたはより創造的な作業に時間を使いましょう。
ラフカットに関するQ&A
Q1. どこまで細かくカットすればいいですか?
あくまで「ラフ」で大丈夫です。
1秒未満の細かい間や息継ぎなどは、後の本編集でBGMやテロップのリズムに合わせて調整すればOK。
「完璧主義は挫折のもと」と心得て、まずは動画の全体像を完成させることを優先しましょう。
Q2. ラフカットにどれくらいの時間をかけるべきですか?
目安として「元動画の長さの1.5倍〜2倍の時間」で終えることを目標にしてみましょう。
例えば10分の素材なら、15分〜20分です。
もちろん、慣れればもっと速くなります。
Q3. スマホアプリ(CapCutなど)でもラフカットはできますか?
はい、もちろんできます。
基本的な考え方(不要部分のカットと並べ替え)は、PCソフトでもスマホアプリでも全く同じです。
まずは使い慣れたツールで「ラフカット」という工程を意識して編集してみることが重要です。


ラフカットで動画編集を効率化しよう


この記事では、ラフカットについて解説しました。
まとめると
- ラフカットは、動画編集の質とスピードを決める「下ごしらえ」。
- 目的は「設計図作り」「時短」「コミュニケーション」の3つ。
- 手順は「素材整理→カット→並べ替え」の3ステップ。
ラフカットを取り入れるだけで、驚くほど作業がスムーズになります。
完璧を目指さず、まずは次の編集から「ラフカット」を意識して実践してみてください。
スマホで撮影した動画で試してみるだけでも、その効果を実感できるはずです。
この土台作りが、あなたが動画編集で稼ぐための最短ルートです。
▼次のステップ
ラフカットが完了したら、次はいよいよテロップやBGMで動画を彩る「本編集」です!
作業フローや、編集テクニックを効率的に学びたい方は、動画編集スクールも一つの手です。
そもそもPCのスペックが低いと、ラフカットすら快適にできません。
買い替えを考えている方はこちらの記事も参考にしてください。

